投稿者: goodgolf722003@gmail.com

  • 我が家の相続が動き出したきっかけ

    「うちの相続」は、もう20年前から始まっていた

    振り返ると、我が家の相続は、ずっと前から静かに動き出していたのだと思います。きっかけはひとつではありません。20年以上かけて少しずつ積み上がってきたものが、ある日、はっきりと自分ごとになった——そんな感覚です。

    今日は、私がなぜこのブログを書こうと思ったのか、その「始まりの時間」を残しておきます。

    父に病気が見つかった日

    両親と相続の話をきちんとするようになったのは、5年ほど前からです。きっかけは重いものでした。父の身体に、がんが見つかったのです。

    幸い、ほかへの転移は見つかりませんでした。それでも、母も私も「そろそろ覚悟しておかないといけない」と悟りました。父も、自分の身体のことを誰よりも分かっていたのだと思います。ありがたいことに、父は今も元気に暮らしています。けれど、あの時に感じた「いつかは必ず来る」という感覚は、今もずっと胸の奥に残っています。

    このブログでよく書いていることですが——相続は、亡くなってから始まるものではありません。元気なうちから、もう始まっている。それを頭ではなく、身体で理解したのが、この時でした。

    税理士さんから告げられた、資産の額

    病気が見つかってから1年ほど経った冬のことです。ちょうど確定申告の時期で、父が昔からお世話になっている税理士さんがいました。その方と相談する機会があり、そこで改めて「相続税がこれくらいかかる」という話になりました。

    蓋を開けてみて、正直、ものすごく驚きました。

    父はお酒の席で「俺はこれくらい持っているぞ」と、いつも高らかに自慢していました。私はそれを何度も聞かされていたのですが、どこか半信半疑でした。だって、その証拠を見たことがなかったからです。本当のところ、どこに、何が、どれだけあるのか——子どもである私は、ほとんど把握できていませんでした。

    その日、税理士さんから具体的な資産額を示されて、ようやく現実が見えました。資産は、億の単位。そして、それにかかる相続税も、私が想像していたよりはるかに大きな金額でした。

    「相続税は、いくらから?」を、自分ごととして調べ直した

    この一件で、私は初めて相続税を真剣に調べ始めました。まず知ったのは、相続税には基礎控除という「ここまでは課税されない枠」があることです。

    基礎控除の額は、3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)で計算します(出典:国税庁)。財産の総額がこの枠を超えると、超えた部分に相続税がかかってきます。

    そして、もうひとつ重いのが期限です。相続税は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付しなければなりません(出典:国税庁)。悲しみに暮れている間にも、時間は容赦なく進んでいく——そう気づいて、背筋が伸びました。

    いちばん怖かったのは、私が「真に受けていなかった」ことだった

    金額の大きさももちろん驚きでしたが、あとから振り返って私がいちばん怖いと感じたのは、別のところでした。それは、資産があること自体は知っていたのに、私がそれを本気で受け止めていなかったということです。

    父はお酒の席で「これくらい持っている」と何度も言っていました。だから「ある」ことは、頭では知っていたのです。でも、どこか口だけの自慢として聞き流していて、本当にその資産が動いている、実在している——という事実を、自分のものとして持てていませんでした。証拠を見たわけでもないし、自分ごととして調べたこともなかったからです。

    幸い、父は今も健在です。その時はまだ来ていません。でも、だからこそ怖いとも言えます。もし今の私のように、資産を「口だけのもの」と聞き流したまま、何の準備もなく急にその時が来ていたら——私は「何が、どこにあるのか」も分からず、口だけだと思っていたものを突きつけられて、途方に暮れていたはずです。

    しかも、その時が来てしまえば、相続税の申告まで10か月しかありません。悲しみの中で、たった10か月で財産を洗い出し、評価し、申告し、納税する——それを慌ててやろうとすれば、まず間違いなく破綻します。だからこそ私は、いざその10か月が始まったときに、万全の状態でやり切れるように、今のうちから準備しておきたいと思うようになりました。元気な今なら、父に直接聞けるし、一緒に整理できる。この「手前の時間」がどれだけ貴重か、私はこの時にようやく分かったのだと思います。

    だから、私は本格的に動き始めた

    父の病気が私に突きつけたのは、結局このことでした。相続は、元気なうちから始まっている。そして、受け取る側が「知らない」ままでは、何も準備できない。

    この気づきが、私が相続と本気で向き合うようになった、本当のきっかけです。それからは、父が信頼している税理士さんとも、何度も時間をとって話をするようになりました。資産の全体像、相続税の見通し、これから何を準備しておくべきか——一度では到底飲み込めず、回を重ねて少しずつ理解していきました。税理士さんとの付き合い方、親とのお金の話の切り出し方、土地をどうするか——やることは山のようにあります。でも、慌ててからでは間に合わないことばかりだと、もう分かっています。

    これから、その一つひとつを、当事者の目線でリアルタイムに記録していきます。次回は、「親が元気なうちに、お金の話をどう切り出したか」について書いてみようと思います。同じように「うちもそろそろかも」と感じている方の、ほんの一歩のきっかけになれば嬉しいです。

    このブログを始めた経緯は、はじめましての記事にもまとめています。あわせて読んでいただけると嬉しいです。くわしい自己紹介はプロフィール(/about)に書いています。


    【免責事項】
    本記事は私個人の体験と所感の記録です。個別の税務・法務判断は税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。税制・制度は記事公開時点のもので、現在は変更されている可能性があります。

  • はじめまして、ナギナギです

    はじめまして、ナギナギと申します

    このブログを書いている、ナギナギです。父(80代)・母(70代)ともに健在の、40代の一人っ子です。いずれ、親の所有物を引き継ぐことになっております。両親と妻との4人で暮らしています。

    最初にお伝えしておくと、私は税理士でも弁護士でもありません。資格は何も持っていません。ただ、引き継ぐことになる資産や、法人で持っている不動産(駐車場)が関わる相続を、これから当事者として迎える立場にいます。その道中を、進行形のまま記録していこうと思っています。

    相続って、亡くなってから始まるものだと思っていました

    正直に言うと、少し前までの私は「相続=親が亡くなったあとに、手続きをするもの」だと思っていました。

    でも、調べていくうちに、考えが大きく変わりました。相続は「亡くなったあとに片づけるもの」ではなく、誰にも迷惑をかけないために、むしろ亡くなる前にやっておくべきことが多いと知ったのです。

    たとえば——親が亡くなると、そこから10か月以内に相続税を申告・納付しなければならないことを、ご存じでしょうか(出典:国税庁)。そして、親の財産が何なのかを、子ども側はどれだけ把握できているでしょうか。

    最近、俳優の梅宮辰夫さんが亡くなられたあと、娘の梅宮アンナさんが相続の手続きで大変なご苦労をされた、という話が報道されました。昭和を代表する俳優で資産家でもあった方でさえ、残された家族は「何が、どこにあるのか」が分からず、相当に苦労されたといいます。もちろん、実際に体験してみないと分からないことばかりです。でも、もし急にその時が来たら——と想像すると、少し怖くなりませんか。

    相続税のこと、土地をどうするか、親の気持ちはどうなのか——こういうことは、いざその時が来てから慌てて決められるものではありませんでした。元気なうちに、少しずつ話して、少しずつ整えていく。そこにいちばん大事な時間がある、と感じています。

    でも、その「手前の時間」を書いている人がいなかった

    いざ情報を探すと、出てくるのは制度をきれいにまとめた専門家の記事か、すべてが終わったあとの体験談ばかりでした。

    私が知りたかったのは、その間にある時間のことです。親が元気な今、受け取る側の子は、何を感じて、何から動けばいいのか。そこを、当事者の目線で書いている人が、ほとんどいませんでした。だったら自分で残そう、と思ったのが、このブログの始まりです。

    このブログで書いていく3つのこと

    これから、主に次の3つのテーマを、当事者の目線で記録していきます。

    • 相続税と手続きの道中:相続税の基礎や、税理士への依頼、申告までに実際にやったこと。
    • 生前にできる準備:親が元気な今だからこそできる、生前の対策や、親とのお金の話。
    • 相続した土地の判断:受け継ぐことになる土地を「活用するか・売るか」、何を基準に考えたか。

    お金の話だけのブログにはしたくないと思っています。相続は、親と過ごせる時間に区切りがついていく出来事でもあります。手続きの記録と並べて、その手触りも書いていくつもりです。

    最後に

    もしあなたが、「うちもそろそろかもしれない」と少しでも感じているなら。この記録が、重い腰を上げて、ほんの一歩を始めるきっかけになれたら嬉しいです。一緒に、できるところから考えていきましょう。

    これからどうぞよろしくお願いします。

    くわしい自己紹介はプロフィール(/about)に書いています。


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    本記事は私個人の体験と所感の記録です。個別の税務・法務判断は税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。税制・制度は記事公開時点のもので、現在は変更されている可能性があります。